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別居して何年で離婚できる?

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別居と離婚の密接な関係

別居と離婚は密接な関係があります。ここでいう「別居」は離婚前提の別居です。単身赴任は別居には含みません。

また、「家庭内別居」については夫婦関係が破綻していると証明することが困難なため、ここには含めません。

離婚には、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の方法がありますが、協議離婚のみが裁判所の手続きを利用しない離婚の方法です。

裁判離婚では、離婚する理由が必要です。これを法定離婚事由といい、以下のように定められています。

法定離婚事由の例

  1. 不貞行為
    配偶者のある者が、自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係をもつことをいいます
  2. 悪意の遺棄
    民法上、夫婦には同居し、互いに協力し扶助する義務があります。正当な理由なくこれらの義務を履行しない場合には悪意の遺棄に該当することがあります
  3. 3年以上の生死不明
    配偶者の生死そのものが3年以上明らかでない状態をいいます。単に所在が分からないだけでは足りません
  4. その他婚姻を継続し難い理由
    その他なのでとても幅広い理由が該当します。性格の不一致、性交拒否、DV、親族との不和など具体的な事例に基づき判断されます

別居は夫婦関係破綻の証明となる

法定離婚事由の「その他婚姻を継続し難い理由」には夫婦関係破綻が含まれます。夫婦関係破綻とは、戸籍上は夫婦ですが、実質的な夫婦の関係は破綻していることをいいます。

別居は、夫婦関係が破綻しているかどうかを判断する重要な事情のひとつです。特に、夫婦関係の悪化を原因とする別居が長期間継続していることは、婚姻を継続し難い重大な事由があるかどうかを判断する際の重要な材料になります。

ただし、別居をしただけで当然に離婚が認められるわけではありません。別居期間のほか、婚姻期間、別居に至った経緯、未成熟子の有無などを総合的に考慮して判断されます。

裁判上の離婚では、夫婦関係が実質的に破綻し、共同生活を回復する見込みがないかどうかが重要な判断要素となります。

別居は何年で離婚できるか

離婚が認められるために必要な別居期間について、「何年以上なら離婚できる」という一律の基準はありません。

別居の年数や状況など、判断する基準はありますが、裁判所が公表しているわけではありませんし、民法の条文に記載されているわけではありません。

そのため、短期間の別居でも他の事情を含めて婚姻破綻が認められる場合がある一方、長期間別居していても当然に離婚が認められるわけではありません。

有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者とは、夫婦のうち離婚の原因をつくった方の配偶者をいいます。では、有責配偶者から離婚を切り出した場合でも離婚が認められるのでしょうか。

例えば、不貞行為をした配偶者側からの離婚請求で別居をするケースを考えてみると、あまりにも身勝手であり、相手側の配偶者はたまったものではありません。

有責配偶者からの離婚請求は、原則として認められません。ただし、有責配偶者からの離婚請求が一律に排除されているわけでもありません。

最高裁判所は、別居期間が夫婦の年齢や同居期間との比較において相当の長期間に及んでいること、未成熟子がいないこと、離婚によって相手方が精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれるなど、離婚請求を認めることが著しく社会正義に反するような特段の事情がないことなどを考慮して、有責配偶者からの離婚請求が認められる場合があるとしています。

婚姻費用分担

先述したように、別居は夫婦関係の破綻を示す最たるものであるといえますが、別居によって夫婦には「権利と義務」が発生することになります。

別居中であっても夫婦の婚姻関係は継続しているため、夫婦は互いに婚姻生活を維持するために必要な費用を分担する義務(婚姻費用分担)があります。

婚姻費用には、夫婦自身の生活費だけでなく、未成熟子の生活費や教育費なども含まれ。一般的には収入の多い側から少ない側へ支払います。

婚姻費用の支払いは、離婚が成立するか同居を回復するまで継続します。具体的な金額については、家庭裁判所では婚姻費用算定表を目安としながら個別事情を考慮して判断されています。

別居と財産分与の重要な関係

もう一つ、別居をして離婚する場合に注意すべき点があります。財産分与の対象財産を確定する基準時は、夫婦の経済的協力関係が終了した時点とされ、一般的には別居を開始した時点が基準となります。

そのため、夫婦の経済的協力関係が終了した後に、それぞれが独自に取得した財産は、原則として財産分与の対象にはなりません。

別居する際は、出来る限り、別居に関する合意書を作成することを推奨します。合意書にはもちろん婚姻費用分担についても記載します。

合意書を作成できない場合でも、住民票を移すなど、別居日を証明できるようにしておくことも重要なポイントです。

 

民法
(裁判上の離婚) 第七百七十条
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第一号から第三号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

今回の記事はここまでです。

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