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永住権とは
永住権とは、外国人が日本に在留する場合に必要な「在留資格(ビザ)」の中で最もステータスが高くメリットも大きい「永住者ビザ」を所持することです。
「永住者」には在留活動と在留期間に制限がありません。ゆえに日本の国益に影響が大きいため、他の在留資格の審査と比べるとはるかに厳しく審査をされます。
永住者以外のビザで在留している外国人が一定の条件を満たすものについて、永住許可申請をし、認められれば永住者ビザが発給されます。
永住権の条件
永住許可申請をして永住者ビザを所得するための条件をご紹介します。永住許可申請の審査はとても厳しいので、これらの要件のみならず、「永住許可に関するガイドライン」や「我が国への貢献に関するガイドライン」もクリアしている必要があります。
本記事は事前チェックとしてご利用いただき、ご自身で申請される場合は行政書士に相談の上で行っていただくことを推奨します。条件を満たしていることを書面や資料で証明しなければなりませんし、虚偽の記載は必ずバレます。
国益要件
日本の利益に合すると認められることが必要です。国益要件はとても厳しく、下記のすべてに該当しなければ要件を満たせません。
- 引き続き10年以上本邦に在留していることが必要です。また、就労資格又は居住資格で引き続き5年以上本邦に在留していることを要します。この要件は本邦在留要件というものです
- 罰金刑や懲役刑を受けていないこと及び納税義務等公的義務を適正に履行していること。自営業者の国民健康保険と国民年金には注意が必要です
- 所持している在留資格が最長の在留期間であること。当面、在留期間3年を有する場合は最長の在留期間をもって在留しているものとして扱われます
- 公衆衛生上の観点からみて有害となる恐れがないこと。これは法定伝染病、麻薬・覚せい剤等の中毒者でないことです
- 著しく公益を害する行為をするおそれがないと認められること
本邦在留要件の特例
本邦在留要件の原則は先述したとおり引き続き10年以上の在留ですが、一定の条件を満たす場合は特例が適用されます。ここでは、多いケースである日本人の配偶者、日本人の実子、定住者の特例をご紹介します。
- 日本人の配偶者の特例
日本人の配偶者、永住者の配偶者、特別永住者の配偶者は、「実態を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上在留していること」です。日本人の配偶者とは、「日本人の配偶者等」の在留資格(ビザ)を所持していることではありません - 日本人の実子の特例
日本人、永住者又は特別永住者の実子又は特別養子は、「引き続き1年以上在留していること」です。普通養子は認められません - 定住者の特例
定住者の在留資格(ビザ)を付与されてから、引き続き5年以上在留していることです
素行善良要件
素行が善良であることが求められます。以下の項目に該当する者は素行善良要件を満たせません。
- 日本国の法令に違反して、懲役、禁錮又は罰金に処せられたことがある者。ただし、刑の消滅の規定の適用を受ける者又は執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過し、その後さらに5年を経過したときは、これに該当しないものとして扱います。
- 少年法による保護処分(少年法第24条第1項第1号又は第3号)が継続中の者
- 日常生活又は社会生活において、違反行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行う等素行善良とは認められない特段の事情がある者
道路交通法違反の扱いは、軽微なものでも回数が多い場合は要件を満たしているとは認められず、飲酒運転・無免許運転・速度超過のスピード違反は一度でも認められなくなります。
素行善良要件の特例
素行善良要件にも特例があります。ここでは、多いケースである日本人の配偶者、日本人の実子の特例をご紹介します。
- 日本人の配偶者の特例
日本人の配偶者、永住者の配偶者、特別永住者の配偶者は、素行善良要件は免除 - 日本人の実子の特例
日本人、永住者又は特別永住者の実子又は特別養子は、素行善良要件は免除
独立生計要件
独立の生計を営むに足りる資産または技能を有することが求められます。この要件は、日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その者の職業又はその者の有する資産等から見て将来にわたり安定した生活が見込まれることを想定しています。
この要件は、必ずしも申請人自身が具備している必要はなく、世帯単位で見た場合に安定した生活を続けることができると認められる場合には、これに適合するものとして扱われます。
独立生計要件の特例
独立生計要件にも特例があります。ここでは、多いケースである日本人の配偶者、日本人の実子の特例をご紹介します。
- 日本人の配偶者の特例
日本人の配偶者、永住者の配偶者、特別永住者の配偶者は、素行善良要件は免除 - 日本人の実子の特例
日本人、永住者又は特別永住者の実子又は特別養子は、素行善良要件は免除
永住権セルフチェック
簡易的に永住許可の要件を満たせるかをチェックできます。すべてがYesでも許可されることを保証するものではありません。Noがひとつでもあれば不許可の可能性が高いということです。
日本人の配偶者等・永住者の配偶者等からの永住許可申請
- 実態を伴った婚姻生活を3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上在留している
- 直近3年間(子は1年)、住民税を適正な時期に納税している
- 国税(所得税、消費税、贈与税など)の未納がない
- 直近2年間(子は1年)、年金保険料(国民年金、厚生年金)を適正な時期に納付している
- 直近2年間(子は1年)、医療保険料(健康保険、国保など)を適正な時期に納付している
- 所持している在留資格(ビザ)の在留期間が3年又は5年である
- 過去に日本の法令違反で罰金刑・懲役刑・禁錮刑を受けたことがない
定住者からの永住許可申請
- 定住者の在留資格(ビザ)で5年以上継続して在留している
- 直近5年間、住民税を適正な時期に納税している
- 国税(所得税、消費税、贈与税など)の未納がない
- 直近2年間、年金保険料(国民年金、厚生年金)を適正な時期に納付している
- 直近2年間、医療保険料(健康保険、国保など)を適正な時期に納付している
- 所持している在留資格(ビザ)の在留期間が3年又は5年である
- 過去に日本の法令違反で罰金刑・懲役刑・禁錮刑を受けたことがない
就労資格からの永住許可申請
- 引き続き10年以上在留しており、かつ、就労資格又は居住資格で引き続き5年以上在留している
- 直近5年間、住民税を適正な時期に納税している
- 国税(所得税、消費税、贈与税など)の未納がない
- 直近2年間、年金保険料(国民年金、厚生年金)を適正な時期に納付している
- 直近2年間、医療保険料(健康保険、国保など)を適正な時期に納付している
- 所持している在留資格(ビザ)の在留期間が3年又は5年である
- 過去に日本の法令違反で罰金刑・懲役刑・禁錮刑を受けたことがない
永住許可申請は申請取次行政書士に依頼
永住許可申請は難易度が高いため行政書士に依頼することを推奨します。行政書士の中でも「申請取次」行政書士なら本人の出頭が免除されます。
申請取次の資格を所持していない行政書士の場合は、本人も帯同して出頭することになりますが、そもそも永住許可申請が可能なスキルがない行政書士ということになります。
永住許可申請の標準処理期間は4か月とされていますが、実際には1年以上かかることもあるのが現状です。近年、他の在留資格・在留手続きも大幅に遅延することが多いです。
今回の記事はここまでです。
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