事務所概要、報酬額、お問合せはHPから
建設業許可を取るメリット
建設業許可は請負金額が500万円以上の建設工事を請負う場合に必要な許可です。500万円とは税込金額を指し、材料を元請や施主が出した場合はこの金額も含めます。
建設業許可を取るメリットは、高額な仕事も請け負えるようになることです。500万円に満たない工事を継続して請け負ってきた場合でも、いつ大きな仕事が舞い込むかわかりません。
建設業許可は公に許可業者であることを担保するものであり、信頼度が大きくなります。たとえ500万円未満の工事だけしか請け負わないとしても、請負う工事件数が増加することが予想されます。
また、下請けとして工事を受注する場合に、元請けが建設業許可業者にしか下請けを出さないことも近年では増えています。
建設業許可を取るメリットは、信頼度を高め、受注件数を増やし、高額な仕事を受注できるようになることだと言えます。
個人事業主が建設業許可を取れるか
結論から言えば、個人事業主が建設業許可を取ることはできます。建設業許可は株式会社や有限会社のような法人に対して与えられるものではありません。
個人事業主でも法人でも、建設業許可の要件を満たせば許可を取ることは可能です。個人事業主の場合、法人の場合と異なることがあり、これはメリットでもありデメリットでもあります。
個人事業主はひとりで人的要件を満たす
後で記述する建設業許可の6要件の中にある「人的要件」がポイントとなります。人的要件は人について回る要件であり、6つの要件の中で最もハードルが高いものだと言えます。
経営経験、技術的な要件、欠格要件に該当しないことなどが人的な要件です。個人事業主の場合、これらを原則として、自分ひとりで満たさなければなりません。
例えば、法人なら代表者(代表取締役など)が技術的な要件を満たせなくても、常勤役員のなかにこれを満たせる人がいればOKです。
反対に考えると、欠格要件に該当しないことという要件では、個人事業主なら本人が該当しなければOKですが、法人なら役員全員が対象となるので個人事業主の方が満たしやすいです。
建設業許可の6つの要件
では、個人事業主が建設業許可を取る場合の6つの要件を見て参りましょう。記述は一般建設業/知事許可を例としています。
経営業務管理の要件(常勤役員等)
許可取得以前に、建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していることです。では、対象となる人ですが、個人事業主または支配人です。
支配人とは、ホテルで営業を司る人というイメージかもしれませんが、建設業法では「支配人登記」されている人をいいます。よってあまり現実的ではありません。
この要件を満たすためには、経営業務の管理責任者としての経験が5年以上必要なので、単に建設業の会社で従業員だっただけでは不可です。
つまり個人事業主としての経験が5年に満たない場合を考えると、以前に建設業の法人で役員をしていた経験が必要だということになります。
建設業であれば、取りたい業種以外でもOKです。また、5年以上あればよいので役員経験が4年+個人事業主経験が1年の合わせて5年以上でもOKです。
以前に役員経験もなく、個人事業主としての経験も5年に満たない場合にこの要件を満たそうとするなら、個人事業ではなく法人を設立して、要件を満たせる人を取締役にする方法があります。しかし、リスクもあるので、事前にご相談ください。
適切な社会保険への加入の要件
この要件は社会保険(健康保険、厚生年金保険)と雇用保険に加入することです。社会保険については、法人であればすべての事業所が加入する義務を負いますが、個人事業の場合は常時従業員を5名以上雇用している場合に限られます。
よって、個人事業主だけの場合(いわゆる一人親方)や従業員を4名までしか雇っていない場合は対象外となりクリアです。
雇用保険については、アルバイトを含めて従業員を1名でも雇用していれば適用事業所となります。しかし、個人事業主と同居の親族は除きますのでクリアしやすいといえます。
営業所技術者等の要件
営業所技術者等とは、以前は専任技術者という名称だったもので、経営管理ではなく技術的なことを担保できる人的な要件です。
取得しようとする建設業許可の業種に対し、所定学科卒業(プラス実務経験)、該当する資格免許、実務経験のみなら10年以上といった要件を見たせる人がなれます。
常勤役員等と異なる点は、個人事業主が満たせなくても従業員が満たせればOKという点です。要件を満たせる人を雇えば、その人を営業所技術者等にして要件をクリアできます。
しかし、この人が退職したり、欠格要件に該当してしまうと営業所技術者等がいないことになり、建設業許可の要件を満たせなくなってしまうため、2週間以内に違う人を営業所技術者等を迎えなければ建設業許可を失うことになります。
このような大きなリスクがあるので、出来る限りは個人事業主自身が営業所技術者等になることを推奨します。おすすめは資格免許を取得することです。取得する資格免許によっては、さらに他の業種も一緒に取得できることになります。
誠実性の要件
請負契約に関して、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことがこの要件とされています。対象者は個人事業主です。
財産的基礎の要件
貸借対照表の純資産合計が500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があることが要件です。個人事業主で白色申告で確定申告をしている方は意外と多く、前者の方法は現実的ではありません。
後者を満たすために、取引金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書を用いることが一般的です。残高明細書は申請時点で4週間以内のものが必要です。
欠格要件等
以下のいずれかに該当する場合は許可を受けることができません。
- 許可申請書または添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、または重要な事実の記載が欠けているとき
- 個人事業主本人・支配人、その他支店長・営業所長等が次の要件に該当しているとき
① 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
② 不正の手段で許可を受けたこと等により、その許可を取り消されてから5年を経過しない者
③ 許可の取り消しを逃れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない者
④ 法第 28 条第3項または第5項の規定により営業の停止を命ぜられ、停止期間が経過しない者
⑤ 法第 29 条の4の規定により営業を禁止され、その禁止期間が経過しない者
⑥ 禁固以上の刑に処され、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑦ 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事の施工もしくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令のうち政令で定めるもの、もしくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことにより、または刑法第 204 条(傷害)、第 206 条(現場助勢)、第 208 条(暴行)、第 208 条の2(凶器準備集合及び結集)、第 222 条(脅迫)、第 247 条(背任)の罪もしくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金刑に処され、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑧ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員または同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下、「暴力団員等」という)
⑨ 暴力団員等がその事業活動を支配する者
⑩ 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者
建設業許可申請のご相談
建設業許可申請に係るご相談は初回無料相談です。個人事業主が建設業許可の要件を満たせるか、満たせない場合はどうすれば満たせるかなどは当事務所にご相談ください。
当事務所は建設業許可のオンライン申請、従来通りの紙申請のどちらにも対応しています。また、許可取得後に必要な決算変更届(毎年)や更新許可申請(5年ごと)、業種追加、各種変更届もお任せいただけます。
今回の記事はここまでです。
行政書士かわせ事務所は民事・刑事の書類作成や手続き、許認可の申請や届出を承ります。ご相談・ご依頼をご希望の方はホームページをご覧いただき、お電話かWEB問合せからご予約願います。
事務所概要、報酬額、お問合せはHPから