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行政書士かわせ事務所強制送還とは
「強制送還」という言葉を時々耳にしますが、入管法上の正式な制度名は「退去強制」です。日本には令和8年1月1日現在で6万8,488人の不法残留者がいます。
退去強制とは、入管法で定められた退去強制事由に該当する外国人について、法律で定められた手続きにより日本から退去させる制度です。
ただし、入管法に違反した外国人が、必ず退去強制されるわけではありません。一定の要件を満たせば、出国命令によって帰国できる場合や、特別に日本への在留が認められる場合もあります。
退去強制の対象となる人
退去強制の対象となる行為や事情は、入管法第24条で定められています。主なものは以下のとおりです。
不法入国・不法上陸
有効な旅券を所持しないなど、法律に違反して日本に入国・上陸した場合不法残留(オーバーステイ)
在留期間が満了したあとも、適法に在留できる根拠がないまま日本に滞在している場合資格外活動
許可を受けず、在留資格で認められていない報酬を受ける活動などを専ら行っている場合犯罪行為
一定の犯罪によって拘禁刑に処せられた場合など、法律で定められた要件に該当するとき出国命令違反
出国命令で指定された期限を過ぎても日本に残留した場合など
このほか、偽造文書の作成・提供や売春関係の業務への従事なども、一定の要件のもとで退去強制事由となります。
退去強制の流れ
退去強制の手続きは、簡略化すると次のようになります。
違反調査
入国警備官が退去強制事由に該当する疑いのある外国人について調査する違反審査
入国審査官が退去強制対象者に該当するかどうかを審査する口頭審理
認定に不服がある場合、通知から3日以内に特別審理官へ口頭審理を請求できる異議の申出
口頭審理の判定にも不服がある場合、通知から3日以内に法務大臣へ異議を申し出ることができる退去強制令書の発付・送還
退去強制が確定すると、退去強制令書に基づいて日本から送還される
なお、2024年6月からは、一定の要件のもとで収容せずに手続きを進める「監理措置制度」も導入されています。
在留特別許可とは
退去強制事由に該当しても、日本での在留を特別に認める「在留特別許可」という制度があります。
日本に家族がいることや、これまでの在留状況、人道上の事情などを考慮して判断されます。2024年6月からは、本人による申請制度も設けられました。
ただし、在留特別許可は必ず認められるものではありません。また、出頭申告をしただけで、不法残留などの違反状態が解消されるわけでもありません。
退去強制後は日本に戻れる?
退去強制によって日本から送還されると、原則として一定期間は日本への上陸が認められません。
初めて退去強制された場合…5年間
過去に退去強制や出国命令による出国歴がある場合…10年間
一定の重大な犯罪などに該当する場合…期間の定めなく上陸拒否の対象
ただし、上陸拒否期間が終了すれば必ず日本に入国できるわけではありません。在留資格に応じた審査や、ほかの上陸拒否事由の有無なども判断されます。
出国命令とは
出国命令とは、一定の要件を満たす不法残留者について、収容せずに簡易な手続きで出国させる制度です。主な要件は以下のとおりで、すべてを満たす必要があります。
自ら入管へ出頭するか、違反調査開始後、所定の段階までに速やかな出国意思を表明している
不法残留以外の退去強制事由に該当しない
窃盗罪など一定の犯罪により拘禁刑に処せられていない
過去に退去強制や出国命令による出国歴がない
速やかに出国することが確実と見込まれる
出国命令によって帰国した場合、上陸拒否期間は原則として1年間となります。
ただし、違反調査の開始後に出国意思を表明した場合は、「短期滞在」で再び日本へ入国しようとすると、原則として5年間の上陸拒否期間が適用されます。
出頭申告とは
出頭申告とは、不法残留などの状態にある外国人が、自ら地方出入国在留管理官署へ出頭して、その事実を申告することです。出頭する際は旅券を持参します。旅券がない場合には、身分を明らかにする書類を用意します。
ただし、出頭申告をしても不法残留の状態が自動的に解消するわけではありません。また、出頭すれば必ず出国命令の対象になるということでもありません。
在留期限の管理が重要
不法残留は、決して他人事ではありません。これまで適法に在留していた外国人でも、在留期間の更新を忘れてしまう可能性があるからです。
ただし、在留期限までに更新許可申請や変更許可申請を行った場合には、一定の条件で、処分がされるとき又は従前の在留期限から2か月が経過する日のいずれか早いときまで、引き続き在留できる「特例期間」があります。
在留期限を過ぎてから申請すればよいという制度ではありません。日本での生活を続けるためにも、在留期限を確認し、余裕をもって手続きを行うことが大切です。
今回の記事はここまでです。
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