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夫の借金を理由に離婚できるか

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夫の借金で離婚できるか?

結論から申し上げますと、夫の借金を理由に離婚できるかどうかは、離婚の方式や借金によって夫婦生活にどのような影響が生じているかによって異なります。

協議離婚であれば夫婦の合意によって離婚できますが、離婚訴訟では借金の内容や程度、夫婦関係への影響などを踏まえて法定離婚事由に該当するかが判断されます。

日本の離婚の方式は4種類あります。このケースで短期間で離婚するためには「協議離婚」の方法になります。協議離婚なら夫婦間の合意があれば離婚できるからです。

離婚を決意し、その理由が夫の借金ということなので長い年月をかけることは避けたいことです。離婚の理由が夫の借金であることや、その借金の影響について記述していきます。

夫が借金を繰り返す

当事務所で離婚相談や離婚協議書の作成を承った際、離婚を決意するに至った理由として近年多いのが「夫の借金」「夫の浪費」です。 夫が事業を営んでいる場合の事業用資金の借入れは除き、借金の理由としてはギャンブル、キャバクラ・飲み代が代表的です。

特徴的なのは、単発の大きな金額の借金ではなく、パチンコで負けて取り返すために、複数の消費者金融から定期的に借金をするケースが多いことです。

妻からみると、せっかく稼いだお金をギャンブルにつぎ込み、しかも負けて借金を繰り返すことは許しがたい行為だと考えられますが、これを原因として離婚できるのでしょうか。

単なる借金で離婚は難しい

夫の借金を理由として離婚する場合、まず、協議離婚であれば何の問題もなく離婚をすることができます。先述したように協議離婚は、夫婦間の合意があって離婚届を出せば離婚が成立するからです。

協議離婚の場合には、財産分与についても取り決めておくことが重要です。借金がある場合でも、預貯金、不動産、自動車などの財産や債務の内容を確認し、婚姻中に夫婦の協力によって形成・維持された財産があるかなどを踏まえて財産分与を検討します。

夫婦間の協議で合意に至らない場合は裁判所の手続きを利用することになります。まずは離婚調停をし、ここでも合意に至らない場合は離婚訴訟で決することになります。

離婚訴訟を提起して認められるためには、以下のような法定離婚事由に該当していることが求められます。どんな理由でも離婚訴訟ができるというわけではないのです。

離婚訴訟の法定離婚事由

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

これらのいずれかの事由がなければ認められません。夫の借金という直接的な事由は条文にはありません。

夫の借金は、法定離婚事由として独立して条文に定められているものではありません。しかし、借金を繰り返していること、その金額や原因、返済状況、生活費への影響、夫婦関係の悪化の程度などを総合的に考慮した結果、「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると判断される可能性があります。

夫の借金が理由で離婚する

夫婦生活としてそこに夫の借金問題がある場合、問題となるケースもあります。そもそも夫婦には協力扶助義務というものがあります。

夫の借金が膨れ上がり、返済のために生活費を十分に負担できない状態が続くなど、夫婦の共同生活に重大な支障を生じさせている場合には、民法上の協力・扶助義務との関係でも問題となることがあります。

そうすると、夫の借金が原因で夫婦生活は破綻し、関係修復できない程度になると法定離婚事由の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当して離婚が認められる可能性があります。

夫の借金そのものだけで判断されるものではなく、借金の内容や負債金額、生活に必要な収入額、預貯金など他の様々な要因を総合的に考慮して判断されるのです。

ただし、離婚訴訟は冒頭でも記述したとおり、長い年月を必要とします。また、弁護士を代理人にたてて戦うことになるので弁護士に支払う報酬も必要で、しかも高額です。

夫の借金を妻が返済

夫が借金を繰り返す場合、妻はもうひとつ気になることがあります。それは、夫がした借金を自分も返済しなければならないのかという点です。

原則としては夫がした借金は夫が返済しなければならないので妻が返済する義務はありません。しかしながら、妻にも返済義務が生じる主なケースとしては、次のようなものがあります。

  • 妻が連帯保証人・保証人になっている場合
    夫婦であることを理由に返済義務を負うのではなく、保証契約を締結したことによって返済義務を負います。離婚をしても保証人としての責任がなくなるわけではありません
  • 日常家事債務に該当する場合
    夫婦の一方が、食費、衣料品費、医療費など夫婦共同生活に通常必要な日常の家事に関して第三者と法律行為をした場合には、原則として他方の配偶者もその債務について連帯して責任を負います。ただし、何が日常の家事に当たるかは、夫婦の生活状況、収入、支出の内容や金額などによって個別に判断されます。

 

民法
(同居、協力及び扶助の義務) 第七百五十二条 
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

今回の記事はここまでです。

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