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所有権解除とは
ローンにて車をご購入された場合は、全額の支払が完了するまではディーラーやローン会社が車検証上の所有者となります。 車検証のQRコードを専用アプリで読み取ると、所有者欄はディーラーやローン会社、使用者欄は自分の名前になっているはずです。
ローンのお支払を完了された時点で、車の所有者は自分となりますが、普通車は不動産と同様に公証制度として車検証にて所有権を第三者に主張できる仕組みです。車検証上で自分が所有者になっている必要があるのです。
ローンを完済しても何もしなければ所有者はそのままディーラーやローン会社のままです。所有者を自分にするためには、自分で手続きをする必要があります。この手続きを所有権解除といいます。
所有権解除をする事により、引越しで住所が変わったり、車を買い替えたり、知人等に売却するときにスムーズに手続きができるようになります。ローンを完済しているのに自分の車ではないという状況を回避するためにも、忘れずに所有権解除をしなければなりません。
所有権解除の方法
所有権解除は、ディーラーに依頼する方法、自分で手続きをする方法、行政書士に委任する方法があります。ディーラーに依頼するのであれば、ディーラーに連絡をして指示に従えばいいのですが、自分で手続きをする場合には、まずディーラーに所有権解除を自分でする旨を連絡して、必要な書類を送付してもらいます。
自分で手続き(普通車の場合)をする場合は必要書類を揃えて、管轄の運輸支局へ行って手続きしなければなりません。手続き自体は移転登録(名義変更)とほとんど同じです。
所有権解除の必要書類
- 旧所有者の委任状(実印押印)
ディーラーやローン会社にもらいます - 譲渡証明書
ディーラーやローン会社にもらいます - 旧所有者の印鑑証明書
ディーラーやローン会社にもらいます - 新所有者の委任状(実印押印)
自分で手続きするなら不要です - 新所有者の印鑑証明書
- 車検証原本
- OCR第1号様式
運輸支局にあります - 手数料納付書
運輸支局にあります。登録印紙を貼付します - 税申告書
税申告窓口にあります - 登録印紙(500円分)
運輸支局で購入します
OCR第1号様式の書き方
申請書となるOCR第1号様式は、ちょっと独特の書き方です。OCR最上段のチェックボックスは「移転登録」にチェックを入れます。
太枠ゾーンで記入する箇所は3箇所だけです。通常の移転登録よりも記入項目が少なくなっています。太枠ゾーンや鉛筆やシャーペンで記入します。まず、㉑自動車登録番号にナンバープレートの番号を記入します。
続いて、㉒車台番号に車台番号の下7ケタを記入します。そして、所有者欄の左端のチェックボックス「1所有権留保の解除」にチェックを入れます。ディーラーやローン会社が所有権をもち、自分が使用者として車を乗ることを「所有権留保」といい、これを「解除」するという意味です。
あとは、最下段の申請人欄と旧所有者欄に記入して(ここはボールペンOK)完了です。
ディーラー以外で車を購入した場合の注意点
ディーラー以外で車を購入した場合は、注意すべき点があります。それは、所有権解除を怠り、販売店が倒産した場合にとんでもないことになってしまうことです。
この場合、倒産した会社が旧所有者なので、所有権解除(移転登録)の手続きがものすごくややこしくなり、最悪の場合は移転登録や抹消登録ができなくなってしまうのです。通常なら、購入した車について手続きする場合にはその販売店に依頼すればいいのですが、その販売店は無いのです。
倒産する際に販売店から連絡があって、手続きすることができれば問題ありませんが、代表者が「飛んでしまった場合」はすべて自分で手続きをすることになります。その会社の登記簿謄本又は閉鎖登記簿謄本を取得すると、清算中なのか清算結了なのか、状況を確認することができます。
倒産して間もないタイミングで破産管財人に登記簿(閉鎖登記簿)、管財人の印鑑証明書・譲渡証明書・委任状をもらえれば移転登録と同様に手続きができます。これらをもらえない(管財人退任後)場合は移転や抹消はできません。こうなると職権抹消を待つぐらいしか手はありません。
また、「清算結了登記が完了している場合」、「清算手続きに入っているが(清算中)まだ整理しきれず清算結了の登記がされていない場合」、「破産手続き中の場合」については状況により手続き方法も異なります。まずは破産管財人(弁護士)に連絡をして手続き方法を模索することになります。
今回の記事はここまでです。
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