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いきなり離婚を切り出すのはNG
離婚を決意したら一日でも早く離婚をしたいと考える方が多いようです。
しかし、何の準備もせずにいきなり離婚を切り出すことはリスクが高いためNGです。離婚を切り出す前に準備をしておくことが肝要です。
最大のリスクは、配偶者が同意しない場合は離婚を切り出した方が不利になってしまうことです。
離婚届さえ出せば離婚は成立しますが、これではかなり不利な条件で離婚することになり、離婚後に困窮する可能性も高くなります。そうならないためには周到な離婚準備が必須といえます。
離婚後の経済的自立の算段
離婚後の住居を確保、お仕事を含む収入の問題を考えなければなりません。また、児童扶養手当などの公的助成金や各種手当を役所に行って確認しておきましょう。
自治体によっては離婚協議書公正証書の作成費用も助成してくれるところもあります。
なお、養育費については注意が必要です。なぜなら、養育費の支払いをきちんと受けている方は4分の1ほどしかおらず、必ず支払ってもらえる保証がないからです。
法律も「無い袖は振れない」には勝りません。近い将来に養育費の回収をしやすくするための法改正も行われる予定ではあります。
離婚の正しい知識を得る
これが最も重要かもしれません。ポイントは「単なる知識」ではなく「正しい知識」が必要ということです。
親や友人・知人に相談することは大事ですが、これらで正しい知識を得ることは不可能だと断言できます。
もちろんケースバイケースなので問題なかったということはあるでしょうが、あくまでも結果論です。
離婚準備の段階では「協議離婚」で離婚することを前提としているはずですが、この前提が崩れたら手詰まりになるのです。
つまり、配偶者が離婚に同意してくれなければ「調停離婚」や「裁判離婚」になるのです。先のことまで考えておくことが安心できる方法でもあります。
正しい離婚の知識はネット検索や六法全書では得られません。離婚問題は法律、判例、学説の知識が必須だからです。
正しい離婚の知識を得るには専門家に相談することです。専門家とは民間資格のカウンセラーではなく、弁護士か行政書士(取り扱っているのはわずか)です。
都市部のように弁護士が余剰な地域であれば親切に対応してくれるかもしれませんが、地方であれば過剰な期待はできないと思われます。
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離婚の理由をはっきりさせておく
意外とこれが抜け落ちている方がおられます。協議離婚であれば、離婚を告げられた側にとっては何が離婚の理由なのかが真っ先に引っ掛かるはずです。
調停離婚であれば申立書に記載しなければなりません。裁判離婚ではそもそも下記の「法定離婚事由」がなければ訴訟提起できないからです。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 強度の精神病で回復の見込みがない
- その他婚姻を継続し難い重大な事由
離婚の条件を考えておく
協議離婚の場合、離婚届を提出する前に離婚に関する取り決めを書面にしておきます。これは離婚協議書という書面ですが、離婚協議書に記載する条項を考えておく必要があります。
しかしながら法律知識がない方がこれを考えることはとても困難です。子がいる場合は親権、養育費、面会交流があるため更に困難を極めます。
離婚の取り決めは、自分が有利な条項にすることを考えがちですが、これでは配偶者が納得しないことが多いです。
自分の要望だけを主張した場合、相手方が専門家に問い合わせれば一目瞭然なので、離婚には合意できずに離婚成立が遠のいてしまうことでしょう。
自分の希望を反映させつつ、法律や判例に沿っており、不公平感がないように定めることが肝要です。これを実現させるためには専門家に相談する以外にはないと考えられます。
財産を把握しておく
離婚の際には財産分与をすることになりますが、離婚を切り出してからですと、隠匿される恐れがあります。財産分与は、婚姻中に築いた財産を離婚に伴って夫婦で分け合うことです。
「配偶者の収入(源泉徴収票があればベスト)」、「預貯金口座データと残高」、「不動産があれば評価額とローン残高」は最低限把握しておく必要があります。これらは財産分与の原資になるからです。
証拠を収集しておく
これは離婚理由によって必要となります。不貞行為やDVが原因で離婚になる場合が最たるものです。
証拠といっても色々ありますが、決定的な証拠を収集することは難しいこともあり、探偵に依頼することもあると思います。
証拠が必要なケースは、慰謝料が発生するケースとマッチすることが多くなります。ここでも慰謝料や証拠の正しい知識が必要であることは言うまでもありません。
証拠の有無は、協議離婚では優勢に協議を進めることができ、調停や訴訟では結果を左右する重要なものです。
しかも、離婚を切り出してからでは警戒されたり隠滅される恐れがあるので事前に準備として収集するようにしなければなりません。
離婚後の戸籍や旧姓復氏
離婚すると戸籍から除籍されることになります。戸籍法上、夫婦の離婚は子供には影響しないので、離婚後に手続きが必要となるケースが多いです。
なお、子供を連れて実家に戻る場合は新たに戸籍をつくることになります。3世代が同じ戸籍には入れないからです。
別居をする場合
別居をする場合はさらに注意が必要です。婚姻費用分担の必要がありますし、別居日を証明できるようにしておかなければなりません。
夫婦で別居に合意できる場合は、別居についての合意書を作成しておくのがベストです。
別居は婚姻破綻を証明できることというだけではなく、財産分与にも関わってくるので、考え無しに飛び出すことはリスクしかありません。
ご相談・ご依頼は当事務所へ
当事務所は協議離婚の専門家です。離婚全体のなかで協議離婚はおよそ88%を占めています。協議離婚の場合、当事務所の「かわせ式離婚協議」によって円滑に離婚協議書を作成することが可能です。
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