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離婚調停は家庭裁判所で行う
夫婦での離婚協議ができない状態や、協議したものの合意に至らない場合は、協議離婚による離婚はできないことになります。この場合は家庭裁判所に離婚調停を申立てします。
離婚調停は裁判ではありませんので、裁判官によって離婚を決定されることはありません。あくまでも双方の合意があってこそなのです。
離婚調停の代理人
離婚調停の代理人となれるのは弁護士です。離婚調停を弁護士に代理人として委任するか、それとも自身で対応するかは事案によって異なると思います。
離婚調停で合意できない場合は離婚訴訟をするつもりなら、最初から弁護士に委任するメリットはあります。どちらか一方が弁護士を立てればもう一方も反射的に弁護士を立てるでしょう。
こうなると離婚調停では法律の話に終始し、離婚訴訟へと進む可能性が高いでしょう。ご自身で対応するメリットも十分あるので慎重に判断しなければなりません。
離婚調停の流れ
離婚調停は以下のような流れです。
家庭裁判所への申立て
家庭裁判所へ申立書を提出して離婚調停を申し立てます。申立てに必要な収入印紙、予納切手、添付書類も併せて提出します。
離婚調停の申立書(正確には「夫婦関係等調整調停申立書」)が受理されると、家庭裁判所と申立人の間で第一回調停期日を決めます。
なお、調停では申し立てた人を「申立人」、その配偶者を「相手方」と呼称することになりますので覚えておきましょう。
家庭裁判所は申立人と相手方へ調停期日の通知書と申立書コピーを送付します。相手方と同居している場合は自宅郵便受けに2通の通知書が届くことになります。
離婚調停 第一回期日
調停期日に家庭裁判所へ行きます。ご自身で対応する場合、この日を迎える前に事前準備をしておくことを強く推奨します。
主張したいこと、想定される相手方主張に対する反論(抗弁)や時系列でまとめた事柄をノートにまとめ、必ず持参しましょう。手ぶらで勝てるほど離婚は簡単なことではありません。
家庭裁判所の受付に申し出ると、「申立人控室」へ案内されます。反対に相手方は「相手方控室」へ案内されます。
調停開始になると調停委員が控室に迎えに来てくれます。そして「調停室」へ案内されます。調停委員は通常、男女2名です。
この調停委員に対して主張と反論などをするわけで、夫婦が話し合いをすることはありません。控室も別、調停室への入室も別なので、変なタイミングでトイレ等に行かない限りは顔を合わせることもありません。
調停委員は裁判所から委嘱された人です。現役世代ではない方が多く、法律職の経験があるとは限りませんし、現役の法律職である人は少ないです。離婚調停は裁判官を話をするのではなく、社会経験が豊富で様々な知見をお持ちの方と話をするのです。(ここに最大のヒントがあります)
申立人と相手方が交代で主張と反論などを繰り返し、一般的には2セットないし3セットで第一回期日は終了です。1セットあたりの所要時間によって何セットするかは異なります。
第二回期日の日時を双方に確認の上で決定し、この日は終わります。DV案件などは駐車場で相手方の待ち伏せなどがありかもしれませんので不安なら事前に裁判所に相談しておきましょう。
離婚調停 第二回期日以降
第二回期日も第一回期日と同様に主張や反論を繰り返します。このように離婚調停は原則として月に一回の期日を迎えます。
調停の中で、資料や書面を調停委員から提出するように言われた場合は持参して提出をします。特に財産分与や養育費を含む場合は証明資料として提出するよう言われることが多いです。
このような指示には必ず従いましょう。また、相手方からの理不尽な主張、まったくの事実無根な主張に対しては、裏付け資料等の提出を要求しましょう。
調停の終結(合意と不調)
離婚調停の成立
調停を何度か(つまり月に一度なので何か月か)行ったなかで、申立人と相手方の双方が合意できた場合には調停は成立します。
この場合、合意できた内容について「調停調書」という書面が発行されます。また、調停成立をもって離婚も成立とされます。
この調停調書は裁判の場合に出される「確定判決書」と同様の法的効果があり、これを「債務名義」として強制執行をすることが可能です。強制執行とはいわゆる「差押え」です。
調停成立後10日以内に離婚届と調停調書を役所に提出します。調停離婚も裁判離婚も確定した時点で離婚は成立しますが、住民票記載変更が必要なため、どんな離婚の方法であっても最後は必ず離婚届を提出するのです。
離婚調停の不調
一方、何度か調停を行っても合意できる見込みが無いと裁判所が判断した場合は離婚調停は何も取り決めることがないままで終結します。(不調といいます)
何も決まっていないので法的効果は何も発生することなく、離婚調停を申し立てる前の状態に戻るイメージです。離婚調停が終結した場合、次は離婚訴訟で争うことになります。よく離婚の話になって「離婚裁判で白黒つけてやる」とおっしゃる場合がありますが、いきなり離婚訴訟は提起できません。
離婚訴訟は「調停前置主義」により、離婚調停を経由しなければ提訴不可だからです。離婚調停が不調となって終結したら離婚訴訟が可能となるわけです。
なお、離婚訴訟はさすがに弁護士に委任することを強く推奨します。ドラマや映画のような法廷でのシーンはまずありませんが、訴状・準備書面の作成だけでも相当困難だからです。
今回の記事はここまでです。
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