退職代行サービスとは

退職代行サービスとは、退職者に代わり、雇用主に対して退職の意思表示をするものです。退職代行サービスを運営している事業はいくつかあります。以下はその特徴です。

退職代行サービスをしている事業者

  • 民間企業…都市部以外では希少なので顔が見えない依頼になるでしょう。相手方(雇用主)との交渉はできません。料金は安いところもありますが、弁護士監修だとそれなりに高額です。
  • 労働組合…労働組合に加入しなければなりません。相手方(雇用主)との交渉も可能ですが団体交渉となる可能性があります。サービスの内容を事前に確認する必要があります。
  • 弁護士…相手方(雇用主)との交渉が可能です。相手方が強硬的な手段を用いても安心です。万が一、訴訟沙汰になっても対応してもらえますが、当然、報酬の追加が発生します。料金は高いところが多いですが高くて当たり前なのです。
  • 行政書士…行政書士は書類作成の専門家です。弁護士のように相手方(雇用主)との交渉はできませんが、証拠能力が高くて届いたことを証明できる内容証明で退職届を作成できます。料金は中間ぐらいになることが多いです。

退職代行サービスを利用するケース

当事務所では退職代行サービスを推奨するスタンスではありません。直属の上司に退職の旨を伝え、退職届を提出する、いわゆる円満退職が望まれます。しかしながら、以下のようなケースでは雇用主側に問題があって円満退職したくてもできないこともあります。

  • パワハラ・セクハラが横行し、日頃から上司が怖い
  • 業務引継ぎできるまでダメだ等、理由をつけて承認してもらえない
  • 退職届を受理してもらえない

退職のルールを確認しましょう

退職できるタイミングは

正社員のような無期雇用の場合は、いつでも退職を申し出ることができます。ポイントは「退職を申し出ることができる」のであり「退職できる」ではないところでしょうか。退職の申し出をし、14日が経過すると退職となりますので会社の承認は不要です。よって、退職日の14日前までに退職届を出すことになりますが、有給休暇を消化したい場合は残日数を確認しておきましょう。

一方、契約社員やパート社員のような有期雇用の場合は、雇用契約締結の日から1年以内は退職できません。有期雇用の労働者側から一方的に退職をすると雇用主から損害賠償請求をされる可能性があります。(費用もかかりますし立証責任も負うのでほとんどの場合は請求しない)但し、以下の場合は認められます。

  • 雇用期間が1年を超える場合はいつでも退職できる
  • やむを得ない事情があれば認められる。心身の不調、パワハラ・セクハラ、家庭の事情など
  • 会社と合意できている場合。合意できているなら退職代行を依頼しませんが

有給休暇を確認しましょう

雇用日から起算して6か月間継続勤務して、全労働日の8割以上勤務していれば10日の有給休暇が付与されます。「ウチは有給休暇がないから」という上司もいますが、法律で認められた権利です。

勤務年数0.5年1.5年2.5年3.5年4.5年5.5年6.5年以上
付与日数10日11日12日14日16日18日20日

なお、有給休暇請求権は2年で消滅時効にかかります。また、パート・アルバイトだから有給休暇はないというところもありますが、こちらも権利です。週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の場合は以下のとおりです。

週所労日数年所労日数0.5年1.5年2.5年3.5年4.5年5.5年6.5年以上
4日169~216日7日8日9日10日12日13日15日
3日121~168日5日6日6日8日9日10日11日
2日73~120日3日4日4日5日6日6日7日
1日48~72日1日2日2日2日3日3日3日

解雇されてしまうのか

退職代行サービスを利用したことが上司の逆鱗に触れ、解雇されてしまうことはあるのでしょうか。結論としては逆鱗に触れることがあったとしても解雇無効は明確なのでその心配は少ないでしょう。ここでは解雇のルールも確認しておきます。

解雇禁止

解雇は会社が自由にできるものではありません。勤務態度に問題がある、業務命令違反や職務規律違反があったとしても、一度の失敗で解雇が認められるわけではありません。法律で解雇自体が禁止されていることは以下のとおりです。

  • 労働基準法により、業務上災害のため療養中の期間とその後の30日間の解雇、産前産後の休業期間とその後の30日間の解雇、労働基準監督官に申告したことを理由とする解雇
  • 労働組合法により、労働組合の組合員であること、労働組合の正当な行為を行ったことなどを理由とする解雇
  • 男女雇用機会均等法により、労働者の性別を理由とする解雇、女性労働者が結婚、妊娠、出産、産前産後休業したことなどを理由とする解雇
  • 育児・介護休業法により、育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、所定外労働の制限、所定労働時間の短縮等の措置等、時間外労働の制限及び深夜業の制限について申し出たこと、または育児・介護休業等を取得したことを理由とする解雇

有期雇用はさらに厳格

また、有期雇用の場合は扱いが異なります。有期雇用の場合、会社はやむを得ない事由がなければ解雇できず、無期雇用よりも厳しい扱いとなっています。有期雇用は契約期間が終了すれば自動的に労働契約は終了しますが、3回以上契約が更新されている場合や1年を超えて継続勤務している場合には、会社は30日前までに予告しなければなりません。

さらに、更新が反復してされていて実質的に無期雇用と変わらない場合や、雇用継続を期待することが合理的だと考えられる場合は、雇止めをすることに客観的・合理的な理由がなく社会通念上相当であると認められないときは、雇止めは認められません。その場合は従前と同様の労働条件で有期雇用契約が更新となります。

解雇予告手当とは

解雇は少なくとも30日前までに予告をしなければならない定めになっています。30日前までに解雇予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならず、これを解雇予告手当といいます。予告をする場合でも日数が30日に満たない場合にはその不足日数分の平均賃金を支払わなければなりません。ただし「日々雇い入れられる者」「2か月以内の期間を定めて使用される者」「季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者」「試用期間中の者」についてはこの限りではありません。

なお、解雇事由については就業規則に記載しておく必要もあります。次は就業規則についても記述しておきます。

就業規則とは

就業規則とは、労働者の賃金や労働時間などの労働条件に関すること、職場内の規律などを定めたルールブックのようなものです。その会社のルールブックであり、もちろん、法令が優先することは言うまでもありません。

就業規則の絶対的必要記載事項

  1. 始業および終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、交代制の場合は就業時転換に関する事項
  2. 賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金計算の締め日、賃金の支払時期、昇給に関する事項
  3. 退職に関する事項、解雇事由

就業規則の相対的必要記載事項

  1. 退職手当に関する事項
  2. 臨時の賃金(賞与)、最低賃金額に関する事項
  3. 食費、作業用品などの負担に関する事項
  4. 安全衛生に関する事項
  5. 職業訓練に関する事項
  6. 災害補償、業務外の疾病扶助に関する事項
  7. 表彰、制裁に関する事項
  8. その他全労働者に適用される事項

就業規則の義務

常時10人以上の労働者(パート・バイト含む)を使用している事業所では、就業規則を作成し、過半数組合または労働者の過半数代表者からの意見書を添付し、所轄の労働基準監督署に届出なければならず、就業規則を変更した場合も同じです。就業規則は、各事業所の見やすい場所への掲示、備え付け、書面の交付などによって労働者に周知しなければなりません。なお、就業規則は法令や労働協約に反してはならず、就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約はその部分については無効となります。

当事務所の退職代行サービス

当事務所の退職代行サービスは、内容証明で退職届を送付します。内容証明には「作成代理人」として当職の氏名を添えます。内容証明は「知らない、見ていない」とは言えないほどの証拠能力があり、日本郵便が届けた日や内容を証明できるものです。退職届が届いた日から有無を言わさずに14日で退職できることになります。なお、内容証明はe内容証明を利用します。

有期雇用の場合は扱いが少々異なりますが退職代行は可能です。雇用契約書をご持参していただき確認の上で受任いたします。当事務所は行政書士ですので、相手方(雇用主)との交渉はいたしません。退職届を発送するところまでが委任業務となります。

行政書士による退職代行サービスは、退職日や有給休暇など一切の交渉はできませんので、交渉もご希望の場合は退職代行サービスを受任できる弁護士にご依頼くださいませ。

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