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離婚の準備は重要です

離婚には色んな原因や理由がありますが、離婚を切り出す前に準備をしっかりしておくことが重要です。今回は、その離婚準備についてどのようなことをやっておくべきかを記述しています。

協議離婚の場合は裁判所が関与しないので離婚届を出せば離婚は成立します。しかし、離婚の準備段階では協議離婚になる保証はありません。配偶者が離婚に合意しなければ離婚調停、離婚訴訟へと発展していくこともあるので、考えておく方がよいでしょう。離婚準備は、離婚を切り出す前から進めましょう。配偶者が同意しない場合、離婚を切り出した方が不利になりますので周到な準備をおすすめします。

(1) 離婚後の住居と生計を考えておく

まずは、離婚後の住居を確保することです。そして、お仕事を含む収入の問題を考えなければなりません。子供がいる場合は、子供の年齢別に必要となる支出項目を洗い出しておきましょう。

また、離婚協議書を公正証書にしておけば確実に養育費を回収できますなどと記述されているサイトが散見されますが、法律よりも「無い袖は振れない」が強いため、回収できる保証はありません。養育費が支払われなくても生計を立てられるかどうかです。

(2) 離婚の理由を考えておく

協議離婚の場合は、夫婦が離婚協議をして双方が合意すれば離婚できるため、離婚の理由は不要ですが、離婚訴訟には法定離婚事由が必要です。法的な理由の有無を確認しておかなければ、協議離婚で決着できなくなったときに手詰まりになってしまいます。以下に法定離婚事由を記述しておきます。

不貞行為

配偶者以外の異性と性的関係をもつことです。夫婦間の貞操義務義務違反ということになります。相手方に不貞行為があったことを離婚原因として訴訟提起する場合、その不貞行為があったことを立証しなければなりません。また、不貞行為が離婚事由となる場合、ほとんどのケースで慰謝料請求が発生します。

悪意の遺棄

民法では、夫婦は同居して互いに協力し、扶助し合わなければならないとされています。この義務に違反して自ら家を出たり、相手を虐待したり、家から追い出すことです。また、同居しているものの、生活費を渡さないことも該当します。

3年以上生死が不明

相手方が、3年以上にわたって生死不明の状態が続くことです。ただし、1年続いた時点で先述の悪意の遺棄になることが多いようです。

強度の精神疾患

疾患ですが、回復の見込みが無い状態でなければ認められないことがほとんどです。離婚後の療養、ケアに関して取り決めがなされていることも必要とされます。

その他婚姻を継続しがたい理由

その他なので上記のもの以外です。いわゆる性格の不一致や、暴力・DV、性の不一致、親との不和など具体的な事情について判断されます。

(3) 支出の内容を把握する

水光熱費や通信費、車両費用などで口座引き落としやクレジットカード払いになっているものを把握しておきましょう。別居する場合でも名義変更や引き落とし口座の変更などが重要になります。別居の場合、婚姻費用分担を請求されると支払う義務を負います。支払う側(義務者)からみると、引き落しされる項目の引き落し口座を変更しておかなければ、婚姻費用には家賃や水光熱費も含むので金額を決めることが困難になります。

(4) 財産を把握する

預貯金、現金、有価証券、不動産、高額な動産について把握しておきましょう。同居していればさほど困難ではありませんが、別居してからでは大変な場合もあります。「今のうちに」です。離婚に伴って財産分与をすることになりますが、隠匿される恐れがあるからです。財産分与は、婚姻中に築いた財産を離婚に伴って夫婦で分け合うことです。

(5) 公的助成金や手当を確認しておく

児童扶養手当などの公的助成金や手当を役所に行って確認しておきましょう。自治体によって異なりますので丁寧に調べる必要があります。公正証書作成費用の助成、調停費用の助成などに対する助成がある自治体もあります。

(6) 離婚後の戸籍や旧姓復氏について考えておく

離婚すると戸籍から除籍されることになります。夫婦の離婚は子供には影響しないので、離婚後に手続きが必要となるケースが多いです。なお、子供を連れて実家に戻る場合は新たに戸籍をつくることになります。3世代が同じ戸籍には入れないからです。

(7) 【最重要】専門家に相談して知識武装しておく

圧倒的に最重要です。当事務所に相談に来られた場合、配偶者から出された条件等をお話しいただきますが、明らかにネット検索で得た知識であったり、友人から得た知識であることが多いです。知っていれば先のことも安心できますが、知らなければ不安だらけで毎日を過ごすことになりますし、これが離婚するまで継続するのです。協議離婚の専門家に相談し、正しい知識を得ることが最重要なのです。

当事務所に離婚協議書の作成をご依頼いただいた場合は、「かわせ式」に沿って離婚協議をしていただけますので円滑で条項モレがない協議が可能です。

(8) 別居する場合

別居をする場合はさらに注意が必要です。婚姻費用分担の必要がありますし、別居日を証明できるようにしておかなければなりません。夫婦で別居に合意できる場合は、別居についての合意書を作成しておくのがベストです。